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執筆者の写真Ken.Morimoto

優しい色。日本の弁柄(ベンガラ)とイタリアのDOLCI。

名古屋のカフェのための色見本を作っています。 しっかりと全体に色をつけたいのか?

それともぼやっと土に雰囲気を載せたいのか?


一般に売られている色粉。

化学の色を入れると土の生命力が弱まるように感じるんです。

触った感じで言うと冷たく重い感じです。

なので少し手間はかかるのですが自分は色も拘った工房のものを選んで使っています。 大阪の古色の美という工房のベンガラとイタリアのDOLCIという工房の顔料。 ウレシイカベに触れたことのある人ならわかると思いますが、 なんだかうれしいのです。

それは触れただけでもわかるような現実的なうれしさなのです。

漆喰もうれしいのですが、それとは桁違いで100倍くらい違うでしょうか?

漆喰はうれしいというよりは嫌じゃない。そんな感じなのです。

話しかけても返事をしてくれる感じではないのです。

ウレシイカベは優しく聞いていてくれる感じとでもいうのでしょうか?

ともすると返事が返ってきそうなくらいです。


それは塗っていてもそうで

とにかく楽しいのです。

もちろん手間はかかるので大変なのですが、それでもかわいいのです。

手を通して、そしてその空間に何かが広がっていくのがわかるのです。


応援などで漆喰や他のメーカーさんのものを塗りますが

そんな気持ちになることはあまりありません。

漆喰は嫌ではないのですが、作業っぽい感じになります。

ただただ技術としての対話です。


他の珪藻土や樹脂壁はちょっと辛い感じの気持ちになります。

土の発するエネルギーが複雑なんです。

エネルギーがなかったり、エネルギー自体の方向性がずれていたり。

そうすると気持ちを持って仕事をしても答えてくれなかったり

むしろロボットのように気持ちを消して仕事をする方が

スムーズだったりします。


自分はもちろん左官職人なのですが、物に触った時の感覚が敏感すぎて

いわゆる左官さんとは何か違うのだと思います。

その傾向はどんどん強まっていて、最近は見えないものの方を大切にしています。

きっと住む人が欲しいのは目に見えるきれいさよりも

住んでからの心地良さだと思うので。

ということからの素材選びです。

色をきれいに欲しいということであればベンガラ。

ぼやっと雰囲気が欲しいということであればDOLCI。

それぞれ4段階に塗って欲しい色を探していきます。

塗りたては濡れ色で濃いのですが乾くと表情がまた変わってきます。

またどう乾くか楽しみです。



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